「植杉さん、服部さん、そして…妖精の愛里子ちゃんたちと私は語り合っていました。愛里子ちゃんが何の妖精なのかについて…」
「…そして、分かったんですか?」
尋ねる日和。
「はい。…彼女は私の初投稿した漫画のヒロインだったんです」
「それだけ…ですか?」
愛里子は…
弥生さんの恋心の妖精だった…ー
「ヒロイン愛里子は、私の憧れ、理想の自分だったんです」
「その夢…その夢が失った記憶の出来事だとは思わないんですかっ?」
真剣な眼差しの日和。
「その夢が現実だったことに、私は気付きました」
「弥生さん…」
目に涙が滲み出る日和。
「でも、私は夢は夢のままにしておくことに決めたんです」
「……」
弥生はそっと日和の方に振り向いた。
「日和くん、何故愛里子が私の漫画から居なくなったか解る?」
弥生の発言に、日和は言葉を失った。
「映画の話が来たとき、2人に主題歌を担当してもらうと決まった日、私は逃げたの…この公園へ」
「逃げた?…ここに?」
何で?…ー

