「とりあえず、オレひとりで探すか」
独り言を言いながら、律壱は鍵をロックする。
そして広い芝の上を走り出した。
真実が知りたい…ー
漫画の愛里子を捜し出して、日和に真実を伝えたい…ー
オレが日和に出来る事…
最後に出来る事は…
もう、それしかない…ー
「戻れないんだ」
律壱の零した声が風のように消えた。
「日和…どうしたの?」
「ごめんな愛里子」
「何が?」
「オレ…アイリス…お前が生まれるきっかけになった作品、本気で書いた訳じゃないんだ」
「……」
黙る愛里子。
「たまたま…偶然だったんだよ」
日和は唾を飲んだ。
「あの詩で偶然、賞取って…まわりにチヤホヤされて目がくらんでた」
そして勝手にすねてたんだ…ー
アイドル扱いされて当然だった…ー
「日和…それを私に言ってどうするの?」
「……もう一度、アイリスを書きたい」
心を込めて…ー
新しいオレの詩を…
届けたい…ー
「素敵だね」
愛里子は微笑んだ。
「…そして、彼女に読んでもらいたい」

