「でもオレはバカな愛里子の方が好きだな」
「…好き?」
「お前が妖精じゃなかったら惚れてたかも」
日和は愛里子の頭を今度はポンっと叩き、先を歩きだした。
「…それって…今更!?」
仏頂面で追いかける愛里子。
「だって今思ったから」
日和は態度を変えることなく微笑んでいた。
「酷い…やっぱり日和はドSだわ」
「それが何か?」
「今までの女にもサラっと告白して、サラっと振ってきたのね」
「今までの女ねぇ〜…まぁ、夜のお嬢様ばっかだったけどな…」
真剣に向き合うことなんてなかった…ー
仕事もそうだ…ー
本気で詩を書いたことなんて…
あっただろうか?…ー
ただ流されて…
与えられた仕事をこなしてた…ー
「日和?」
「バカなのはオレか…」
自分に才能があると…
思い込んでいた…ー
努力もしてなかったのにー
日和はため息を付きながら歩く速度を早めた。
「…熟睡だな」
公園に着いた律壱と弥生。
弥生はすっかり夢の中だった。
静かに車外に出る律壱。

