「優しくなかったら、あの日愛里子を探しに戻ってはこなかったでしょ」
………ー
日和は照れながら鼻の頭をかく。
「日和も、律壱くんも優しいよ。愛里子を…妖精を信じてくれたもん」
「弥生さん…は?」
戸惑いながら尋ねる日和。
「日和はどう思うの?」
「…いい人…かな…」
愛里子のこと…
本当に心配してくれてた…ー
でも…
それは自分の恋心を自然に守っていたからなのか?…ー
「いい人か…」
愛里子は宙を見る。
「でも彼女は、自分を好きになれなかったんだよ」
いつも自分を恥じていたー
自分の存在を否定していたー
他人と自分を見比べて…ー
いつも下を向いていた…ー
「オレも自分のことは、あまり好きになれないな」
「どうして?」
「んー…素直じゃないし、意地っ張りだし、過去にとらわれすぎてたし…」
「自分のこと、ちゃんと見つめてるんだね」
「それって…いいことか?」
「悪くはないでしょ」
「……まぁ…な」
「自分を好きな人って少ないよね。でも無意識のうちに自分を愛してるんだよ」
弾む愛里子の声。

