君の詩が色褪せても



「……あぁ、愛里子のこと話したら弥生さん、心配してくれたから」



心配…―




また心配…―





「愛里子ちゃん、遠慮しないで話して。ここが嫌ならお部屋でもいいし」


弥生は愛里子の手を取る。



「弥生さんは、何で愛里子が心配なの?」


「えっ…?」



少し潤んだ瞳で日和にした質問を繰り返す愛里子。



「特別な心配じゃないんでしょ?」


「愛里子ちゃん…」


初めて見る愛里子の反抗的な態度に戸惑う弥生。



「誰でも心配するんでしょ。愛里子じゃなくても、どこの誰でも心配するんでしょ」


弥生は腰を上げ、愛里子の隣に座った。

そして今にも泣きそうな愛里子の肩を抱いた。




「確かに、どこの誰でも、その人が苦しんでたら心配するよ…」


日和が伏せめがちになる。


「でも、全く知らない人を心配するのと、愛里子ちゃんを心配することは違うことだよ」


「違うこと?」


愛里子が弥生の優しそうな目を見る。



「愛里子ちゃんのことは大好きだから、とってもとっても心配になるの」



大好きだから…?―



「口では上手く言えないけど、大切に思ってる人のことは他の人と比べて、何倍も心配になるんだよ」