日和は渋々立ち上がり部屋の中へ戻った。
後を追うように愛里子も部屋に入る。
「…愛里子ちゃん、身体冷えてるだろ」
「うん…」
「あったかいもん飲む?」
「…うん」
律壱の気遣いに心ない返事をする愛里子。
日和は顔をしかめたままソファーに座っていた。
心配…―
日和が…―
心配…
してくれた…―
「…なんで?」
立ったまま呟く愛里子。
しばらくして、律壱が紅茶を運んできた。
「愛里子ちゃん、座りなよ」
律壱に促され日和の隣に、少しスペースを空けて座る愛里子。
「ほれ、日和はコーヒー」
「あっ…わりぃ」
愛里子がティーカップを持って紅茶にフーフーと息を吹き掛ける。
ティーカップの中に映る自分の顔が歪む。
紅茶を一口飲んで、またティーカップの中に目を落とす愛里子。
「誰…」
思わず聞き逃しそうになる小さな声。
顔を見合わせる日和と律壱。
「愛里子ちゃん?」
「えっ?」
我に返る愛里子。
「どうかした?」
優しく尋ねる律壱。

