君の詩が色褪せても



愛里子はベランダの外に倒れていた。


慌てて飛び出し、愛里子の身体を抱える日和。



「愛里子!?」


愛里子はうっすら目を開けた。


「大丈夫か!?」

真剣な日和の表情。



「ひ…よ…り…」


日和の頬に手を伸ばす愛里子。

冷たい手。


「愛里子…?」




「おかえりなさい」


愛里子の大きな瞳がパッチリ開いた。

まるで起き上がらせると目蓋を開けるからくり人形のようだった。


「愛里子?」



「ん〜…よく寝たぁ」



はっ?……―



「おかえり日和。ご飯にする?お風呂にする?それとも…」



「あ・た・し?じゃねー!」

日和は愛里子の顔面に思い切りつばを飛ばした。


「嫌ぁぁ〜!日和汚い!」

仰け反る愛里子。



「お前何やってんだよ!」

叫ぶ日和に律壱も驚く。



「…日和…恐い…」




「当たり前だろ!こんな所で横になって、寝てたじゃすまされねぇんだよ!」


険しい日和の表情に怯える愛里子。



「だって…」



「死ぬほど心配したのに…ふざけんじゃねーよ!」





心配…?―



「日和、近所に迷惑だから取り敢えず中入ろう」

窓枠に手をかけ、反対の手で手招きする律壱。