ベランダに出て、消えゆく太陽を見つめる愛里子。
「…たましい」
呟く愛里子のすぐ傍で手帳が開かれていた。
"帰りたくない"
"今のままがいい"
"愛里子は花?"
手帳を手に取り、ベランダから部屋に戻ろうとする愛里子。
ガラスに自分の姿が映る。
金髪のフアフアロングヘアーに大きなリボン。
フリフリの甘ロリワンピース。
白い羽根。
大きな瞳。
まるで人形のよう。
いつも見ている自分の姿。
「…私…誰?」
「お疲れ様でしたぁ」
若いアシスタントたちが弥生の事務所から退勤する。
彼女たちはこれから遊びに行くのではない。
自宅に戻り、自分の作品に没頭するのだ。
アシスタントというのは、いわば弟子のようなもの。
一番近くにいるライバルに他ならない。
「お疲れ様。気を付けて帰ってね」
優しくかける言葉とは裏腹に、頭の中で強く拳を握る弥生。
負けてられない―
私には…
コレしかないから―
漫画は生きがい―

