君の詩が色褪せても




「痛てーな」


日和の髪を引っ張る律壱。


「っつ…律壱が変なこと言うからだろ」



「だってさ、愛里子ちゃんはお前に運命感じてるし、出会って間もないのに日和になついてるし」

首をかしげ、両手を胸の前で組み、目をつぶり、乙女の祈りポーズを取る律壱。


「律壱…お前、愛里子に何とも思われてないから悔しいんだろ?」

どや顔な日和。



「ひ〜よ〜り〜ん!」

日和の頭をグリグリする律壱。

「って〜!」

いつの間にか戯れ合う2人だった。





「オレは真面目な話をしてたの」

律壱が咳払いして話題を戻す。



「未来から来た子供が何で妖精なんだよ…漫画の読みすぎ」



「仕方ないだろ、弥生さんの作品が次のお仕事なんだから」

律壱は日和の肩をポンっと叩いた。





そーいや…
そーだったな…―



「ヤベっ…まだ軽くしか読んでないわ」



「弥生さんに言い付けてやろ〜♪」



まるで学生のようなやり取りをしながら日和のマンションを目指す2人だった。









太陽が海に口付けする。

キラキラとした神秘的な瞬間。



愛里子の瞳はオレンジ色に染まって輝いていた。