君の詩が色褪せても




「オレ…思ったんだ」


「何を?」


日和は微笑む律壱の顔を覗いた。








「愛里子ちゃんて、もしかしたら未来から来た弥生さんの子供なんじゃないかって」



「……」

ポカンとする日和。




「お母さんって思う気持ちもそうだけど…、何ていうか雰囲気?」


「雰囲気?」

律壱の言葉をただただ繰り返す日和。



「あの2人、全然違う性格なのに同じ雰囲気を感じるんだ」





そういえば…―


「そうかも…」





「そして…愛里子ちゃんからは別の空気も感じる」


律壱は立ち止まった。



「どうした?」

振り向く日和。





「その空気は…オレがよく知ってる存在と同じ空気だった」




「律壱?」



「日和だよ」





……―



再び歩き始めた律壱は目を点にしている日和を追い越していく。




「…おま…何が言いたいの?」

律壱の背中に話し掛ける日和。






「愛里子ちゃんが未来から来た弥生さんの娘なら、父親はきっと日和だなと思っただけ」




はぁ?…―


「バカなこと言うなよ」


日和はさくさく歩いて律壱の足をわざと踏んだ。