「…でも、無理すんなよ」
「解ってる。お前も愛里子ちゃんのこと大変だろうしな」
そう言われて日和は頭をかいた。
「愛里子ちゃん、何か思い出した?」
「…ん〜…聞いてないよ。今日は体調崩してるみたいだし」
「具合悪いのか?」
椅子から下りて日和の顔を覗く律壱。
「本人はそう言ってる」
「大丈夫なのか?記憶喪失と関係あるのかな」
「たぶん大丈夫だよ。今夜、弥生さん来てくれるし」
「弥生さん…?」
少し顔を曇らせる律壱。
「さっき会ったって言ったろ」
「あっ…愛里子ちゃんのことで会ってたのか…」
……―
「まぁ…な。愛里子、弥生さんに心開いてるし…」
ぎこちなく返事をする日和だった。
「そうだよな。女性同士なら愛里子ちゃんも安心するしな」
「うん…」
顔が晴れた律壱に変わり、日和の顔はどんよりとしていた。
オレ…―
何の為に彼女に会いに行ったんだ…―
メガネを返す…―
それだけか?―
「日和、オレも行っていい?」
「えっ?」
「今晩だよ。愛里子ちゃん心配だし」

