夏休みもあっという間に終わり、新学期。


食欲の秋の季節です。


クリーニングに出したばかりの、ブレザーを羽織りあたしは学校に向かう。


もちろん、楓はまだ寝てる。


なんだか最近、あたしと楓の噂が流れている。


『あのふたりが一緒に買い物してるとこを見た生徒がいるらしいよ!』

……だなんて。


噂に尾ひれはつくものだけど、一緒に買い物していたのは事実だ。



そんでもって、一緒に暮らしてるなんてバレたらきっと厄介なことになるに違いない。


だからあたし達はお互い時間をずらして学校に行くことにしたんだ。


とは言っても、楓は最後まで納得してくれなかった。


『どうして秘密にしなきゃならないんだ』って。


確かに、楓の言うことは正しいけど……。


でも、もしそんなことがバレたらあたしはきっと、女子群から目の敵にされるだろう。


はぁあああああ……。


憂鬱すぎる。


あたしは重い足を引きずりながら学校へと向かった。