「……なるほどな」


すると楓はあたしを見るなり、意地悪な笑みを浮かべた。


「で。お前は何でそんなに嬉しそうなんだ?」


「えっ……」


まさか、言えないよね。


「言ってみ?」


「か、楓と一緒、にいられる……から」


楓があたしの頬に優しく触りながら聞くもんだから、あたしは気づいたら口を開いていた。


それはもう無意識に。


すると楓はあたしをふわりと抱き寄せた。


瞬間、楓の甘い香りが、あたしの鼻をくすぐる。


「でも、俺にとっても好都合だな」


「……えっ?」


その理由はすでに理解出来ていた。


でも、楓の口から聞きたかったんだ。


「穂香と2年も一緒にいられるんだから」


そしてあたしに甘いキスをくれた。


この夏休み、

あたしと楓に待ち受けているものは

……これからのお楽しみ。