楓クンは、転校のことをどうしても直接あたしに話したかったらしく……


引っ越し前日の夜。


あたしを近くの河原に、呼び出したんだ。


その日は確か、満天の星空だったんだよね……。


いざ思い出に浸ると、自然と悲しくなってくる。


その夜空を見上げながらあたしは勇気を振り絞り楓クンに告白した。

……つもりだったんだけど。


あれって告白だったのかな?


なんか映画のワンシーンのようなセリフを言ったよな、確かあたし…。


でも、楓クンは約束だって言ってくれたし……


まっ、いっか。

それより、あんな夢見るなんて。


……なんか胸が少しざわめく。


女の勘はよく当たるんだよね、これが。

楓クンに会えたりなんかしないかな……。