……さ、30階ぃいいい!?


光る30のボタンを見てあたしは目を見開いた。


今、確かに30のボタン押したよね……?


光ってるのがその証拠。


確か、マンションの最上階って高いんだよね……。


しかも、こんな高級そうなマンション。


そ、爽って何者……?


「ぷっ」


表情をぐるぐる変えているあたしを見て、爽は突然吹き出した。


「お前って本当、面白いよな」


爽はあたしを見てケラケラと笑っている。


ムカぁああああ……!


「……ちょっと! 面白いってなによっ! そんなことで褒められても嬉しくないからねっ!」


あたしがそう言うと、爽はいきなり笑いを止めてあたしをジッと見つめた。


な、ななな、なに……?


あたし…なんか変なこと言った?


ウィーンと上に上がっていくエレベーター。


その時間が物凄く長く感じる。


「……褒めてんだよ」


「えっ……?」


そう言うと、あたしの頬をそっと触って、優しく微笑んだ。