「そんなことがあったのねぇ~」


ニンマリとあたしを見つめながら、サンドイッチを頬張るあーちゃん。


あたしはその姿に苦笑いを浮かべるしかなかった。


遠足から帰ってきた翌日。


あたしはあーちゃんと裏庭でランチタイムを満喫していた。


「……で、それから王子とはどーなったのよ?」


「ど、どうって……」


夜中の1時。

瀬川クンが帰って来たと同時に、あたしは自分の部屋へと戻った。


帰ってきた時にはあーちゃんは爆睡。


あたしも仕方なくベッドに横になった。


でも、なかなか眠つけなくて。


楓との甘い時間を思い出して、ひとりでドキドキしていた。


「だから別に何もなかったって」


「ふーん」


あーちゃんはつまんなそうな顔をして再びサンドイッチを頬張る。


「あーちゃんはどうだったの?」


そうだよ。


夜中まで一緒にいて何もないわけがない。


あーちゃんは、なかなか瀬川クンのことを教えてくれないから、あたしだって気になるんだ。