「あーちゃん……」
「王子にちゃんと、気持ち伝えなさいよ?」
微笑みながら、あたしの顔を覗き込むあーちゃんに、何度も頷いた。
あーちゃん……
あーちゃんは、どんな時でもあたしを支えてくれる。
いつだってあたしの味方でいてくれる。
あたしの…大好きな親友だよ。
「……あたし、行ってくるっ!」
勢いよく立ち上がってそう言うと、あーちゃんは「それでこそ穂香よっ」って笑ってくれた。
あーちゃんの優しさを無駄にしてはいけない。
きちんと気持ちを伝えなきゃいけないんだ。
楓にも、爽にも。
伝えなきゃだめなんだ。
本当の気持ちを。
あたしはそう決意して、露天風呂を飛び出した。
――ひたすら走る。
足がもつれるのなんて気にせずに。
履いていたスリッパが脱げても。
あたしは彼の部屋へと、ただがむしゃらに走った。
――ガチャッ
「あ、川島サン」
辿り着いた彼の部屋から出て来たのは、ラフな格好をした瀬川クンだった。

