「あ、あのね……」


「アイツといたのか?」


なんとか言い訳をしようと思ったら、爽がその言葉を遮った。


「えっ?」


「だから、楓といたのかよ?」


ど、どうして……

どうしてわかっちゃうのよぉ。


やっぱり爽も……


「……エスパーだ」


「……あ?」


……ヤ、ヤバッ。

思わず声に出しちゃった。


爽は眉をひそめて、あたしの顔を覗き込む。


「……エ、エスパニョールとか、外人でいそうじゃないっ?」


うわっ。

あたしってば、なに意味不明なこと言ってんのよぉおおおお!


……っていうか、

エスパニョールって誰っ!?


「……ぷ。お前って本当に面白いヤツだな」


「……えっ?」


ふと爽を見ると、爽はお腹を抱えて笑っている。


「誰だよ。エスパニョールって」


よ、よかったぁ……。


怪しまれてないみたい。


……ふぅ。


「あ、あははっ……」


「もう、昼休み終わるぞ? 帰ろうぜ」


「あ、うん」


そう言って、爽は先に視聴覚から出て行った。