「つーことで、1ヶ月間よろしくな?」
よろしくできません……
しかも1ヶ月も。
「何か言ったか?」
……またあたしの心読みやがった。
やっぱりエスパーなんじゃ……
「あ゛?」
「な、なんでもない」
はあああぁ……
無理ですよ、無理。
誰がよくてこんなヤツと……
(泣)
小さい頃の楓クンはもっと優しい男の子だった……
……思い出すのは止めよう。
「明日、おばさん達出発らしいぜ?」
明日、出発……?
「マジで!?」
「あぁマジで。」
そんないきなり過ぎるよぉ……。
「それより……」
楓クンがニヤリと妖しい笑みを浮かべながら近づいてきた。
「キスしようか?」
「キ、キス!?」
「そ。再会のしるしに」
“そ”ってそんなあっさりと……
冗談じゃないわよっ!
「……で、出て行ってくださいっ!」
「なんだよ。冷たいなぁ。婚約者に向かってそれはないだろ?」
「あたしはアナタなんかと婚約した覚えはありませんっ!」
あたしは楓クンの背中を押して無理やり部屋から追い出した。

