「愛チャンって、いまいちキャラが読めないんだよね」


「そうか? 俺にはただの性悪女にしか見えねぇけど」


今は、視聴覚室で楓と密会中。


最近はこういうことが増えてきた。


やっぱり楓は王子様だから、付き合ってることは秘密にしないといけないし……。


それなのに楓ときたら……


「学校でも穂香といたい」


……なんて甘い言葉を言うもんだから。


だから、あたし達は学校では秘密で会うことにしている。


それで、この間の愛チャンとの出来事を話していたのだ。


「まぁ、これで一安心だな」


楓があたしの頭を撫でながら優しく微笑んだ。


――ドキッ


ちょっとそれ、心臓に悪いってぇええっ!


ドキドキする胸をおさえながら、ふと楓を見ると、

楓は思い立ったように、声を上げてあたしを見つめた。


「ところでさ」


「ん?」


「もうすぐで旅行だよな」


……へっ?

り、旅行?