「それでね、穂香をひとりを残して私達が1ヶ月も留守にするなんて穂香が可哀相じゃなぁい?」


……はい。


可哀相ですよね、あたし。


「だから、楓チャンを呼んだのよぉ。」


……えっ?

楓クンを呼んだ?


ということは……


「じゃ、ここにいるのは楓クン!?」


「あらぁ~。気づかなかったのぉ?」


「う、嘘ぉおお~!?」


バタンッ


あたしは不覚にも気を失った。



――1時間後。


目を開けると、そこはベッドの上だった。


あ、あたし倒れちゃったんだ……。


まさか、アイツが楓クンだっただなんて……。


全く気づかなかった。


夢のようで今だ信じられない。


今日1日でいろいろありすぎだっつーの。


「起きたか?」


声が聞こえたと思ったら整いすぎた顔があたしにグイッと近づいてきた。


ド、ドドドアップ!


……し、心臓に悪いんですけど。