「お母さん? もうご飯できたのぉ~?」


あたしはお母さんだろうと思って振り向かずに答えた。


――それが間違いだったんだ。


「その格好、誘ってんの?」



………はっ?


だ、だだ誰!?


声のしたほうを振り返ると、そこには……


制服姿ではない、ラフなTシャツ姿の相沢がいた。


な、ななな何で相沢がここいるの?


ここ、あたしの家だよね?


あれ? 本当は相沢の家に来ちゃったのかな、あたし。


……でも、ここは確かにあたしの部屋だし、お母さんだっていたよね?


も、もしかして、幻覚?


疲れで幻覚まで見えるようになっちゃったのかな?


あたしは頭の中が真っ白になって、もうパニック状態だ。



「な、ななな…」


……く、口まで上手く回らなくなってきたよ。


「ぷっ、どうした?」


ニヤリと笑いながらあたしに近づいてくる。


「…な、何でアンタがいるのよぉおお!?」



あたしの叫び声が大きく響き渡った。