ほっ。ほっ。ほっ。無音の中で雪の音。

シン、シン、シン、シン、電車のなかで箱の音。

ほっ。ほっ。ほっ。まるで拙い唯一哲学。


僕はああの中へ入りたいのです。

まるで頭の悪い唯物信者。
「ぼくはあの箱をさがしている。あの不思議な魅力を持つあの箱」

探してどうなる。 探して葬気だろうか。

探してはいけない。探してはいけない。

 ほっ。ほっ。ほっ。
かつての思いは勿忘草。
 ほっ。ほっ。ほっ。 
これで糸は手繰れますか?

「僕日に日に中へ入りたい。入りたいよ、一つになってしまいたいよ。」
「愛ゆえに僕はおかしくなってしまった。好きなんだ。箱の中を愛してるよ。
だから、ぼくはっ、愛故にー終章。」