ウェルカムアワーズ

「ほかにもなんかあった?」

「何か?」


「シバさんの言うことが当たっちゃってるなー、ってこと」

「別にない、と思うけど」


「ならやっぱりたわ言だね」


 ピシャリと決めつける松宮くんは、私にはとても頼もしく見えたのだった、その時。

たわ言なら、それでいい。そうあって欲しいんだから、私だって。


あんな占い、外れてくれないと困る。

災難って言うなら、この転校そのものが、私にとってはすごい災難なんだから、これ以上なんてひどすぎる。


「ここ、保健室。ありがと。葉月ちゃんは授業に行っていいよ。遅刻の理由が面倒でしょ」

「あ、うん」