ウェルカムアワーズ

だけど、事実なのに。

私の身に、確かにカードが語った通りのことが起こって、それをすぱりと怪しいとか言い切ることなんて、なんだか都合が良すぎる気がしてできない。


「確かに、腕は痛いけど、宙に浮いたのはけっこ楽しかった。あれを災難に分類するのは、オレとしては意義ありだけどなー」


 顔を。顔を上げると、松宮くんは当然みたいに笑っていた。

それで言うことはやっぱり、そんなことだ。


「キカイ使わないで空飛んだ代償が、腕一本なら安いもんでしょ」

 飛ぶなよ……。