ウェルカムアワーズ

「初日、疲れた? そんな顔だけど」


 全然違うことを考えていたから、私の反応はすごく遅かった。

そんな状態でこんな話に意識を持っていける松宮くんに、心底感心なんてしつつ、私はそんなことないよ、なんて答えていた。

ほんとはこれでもかってくらいに疲れていたし、それを今朝も引きずっていたんだけど、そんなものはふっとんだような気がする。

それに、ひどい怪我をしている人間相手に、疲労がどうとかって語るのも筋違いのような。


 こうしている今も血はあふれるのをやめていないに違いない。私は見ないようにしながら、見えない恐怖に怯えていた。

 う。なんか貧血起こしそうだ。なんで私が。