ウェルカムアワーズ

 なんだか哀れっぽいその声に、私は思わず手を出していた。どんな声だろうと断る理由なんて、そりゃないんだけど、ちょっと呆然としてしまったのだ。

知らない人だけど、とにかく、私は救われてた。松宮くんもだ、とにかく。


 とび込むみたいに現れたユウコ先輩の命令に従って、腕を押さえたり、どっかから現れていた布を引っ張ったり。


そんなことしてたら、当然傷口が目に入っちゃって、私は激しく後悔するのだった。

うぅ、見るんじゃなかった。


「はいこれで保健室まで歩いてオッケー。血痕がてんてんだなんて、非衛生的にもほどがあるわ。男の貧血も気持ち悪いしー」