「いっやー、物理をなめたらいかんよなーっ。怪我してないよね、葉月ちゃん」
――そうおっきな声を出しながら、松宮くんは起き上がった。その自転車の向こうで。
きちんとしていたネクタイは捩れて曲がってるし、ズボンは砂をかぶって真っ白だし、靴もどっかにとばしたみたいで、片方がない。
ってことは、私も、かなり……、ひどい? ひょっとして。
「立てる? 痛いとこない? すりむいたとか」
靴なんてどうだっていいみたいで、松宮くんはその足のまま、自転車を跳び越えて、私の側に立った。
こんな状況でまだ元気にそんなことを言うか、立ち直りが早いって言うか。
――そうおっきな声を出しながら、松宮くんは起き上がった。その自転車の向こうで。
きちんとしていたネクタイは捩れて曲がってるし、ズボンは砂をかぶって真っ白だし、靴もどっかにとばしたみたいで、片方がない。
ってことは、私も、かなり……、ひどい? ひょっとして。
「立てる? 痛いとこない? すりむいたとか」
靴なんてどうだっていいみたいで、松宮くんはその足のまま、自転車を跳び越えて、私の側に立った。
こんな状況でまだ元気にそんなことを言うか、立ち直りが早いって言うか。

