ウェルカムアワーズ

でも触るけど。そうしろって言ってるし。


「桜田葉月。十六歳。間違いないですね」

「はい」


 そう改まって聞かれると、いろんな事に自信がなくなってしまうけど、年くらいはきっぱり返事ができるはずだ。

それに、残念ながら間違いようもなく、私はどっから見ても十六歳な珍しい十六歳だった。

うちの母親が語るところでは、で定義が不明なのは、なんかムカついて聞きゃしなかったから。

だって。どうせ、ろくな意味じゃない。


 占い師は続いて生年月日なんかを尋ねて、それから黙り込んだり、カードを積み重ねたり崩したり。

それじゃあ、さっき私が清く正しくかき混ぜたのなんて、意味がないみたいに思えるんだけど、きっとまぁ、それなりの理由があるんだろう、なぁ。


「さぁっ」

はいっ。