ウェルカムアワーズ

「いいなー、しのさん、最高だなー。オレを殺す気満々だな」

「どうします?」

「今は普通のお茶でもいい? ホットで」


 小林君がふたり。大小林君と小小林君。ヘン。

だけど、明智先生の役は無理があるもの、あげられない。百歩ほど譲れば可能かも知れないけど、譲りたくないな、なんとなく。


「や、葉月ちゃん」


 大小林君。松宮くんは、椅子を引っ張ってきて、輪に収まった。昨日よりも気温は上がっているのに、この人は涼しそうだ。なんでだろう。

私は笑顔らしくない笑顔を、挨拶の代わりに出してみた。それしか対応のしようがなかったからだ。


「けっこう、変でしょ、ここ。校内で一番変なとこだよ。保証つき」