ウェルカムアワーズ

 とか考えていたら、入ってきた人はどう見ても先生じゃなかったから、これについては確かめられなかった。

入ってきた人と言うのは。


「現れたわね、隆一朗。今日は来ると思ってた」

「城くん、お茶入れてあげて。まったくいつもいつも、どうして嗅ぎつけてくるのやら」


「三日にいっぺんはこんな事してるくせに、よく言うよ」


 その声を聞いた途端に、私は思い出していた。さっき、城くんに思った事って、そのままこの人の印象なんだった。

めちゃめちゃアタマ良さそうで、なんだかとんでもないことを知っていそうで、いろんなこと全部覚えてそうな人。


「松宮先輩に、母から茶葉を預かってきてますよ。ぜひお試し、って」

「なにそれ」


「カフェイン無限大、眠りたくないあなたに。ってラベルでしたよ。母の手製だったけど」