ウェルカムアワーズ

「ちなみに紹介しちゃうと、城くんはそのお母さんの一番弟子なのよねー」

「僕は食べ物ってキョーミ薄いんですけど。将来的にはソムリエです」


「未成年が見るのって難しい夢じゃない? ソレ」

「そーだよねー。酒飲まないはずでしょー、アナタの年じゃ」


「そんなことをお二人から言われようとは」


 城くんの泣きまねに、みんなで笑った。私も一緒に笑えてから、それから、考える。

今の、すごく普通だった。おもしろいことに笑っていた。


だけど、だから、こういうこと考えるのは、ちっとも普通じゃないんだってば。これがいけないんだよ、これが。


普通にっ、もっとさらに普通に。

気持ちを落ち着かせるために、城くんのアイスココアに口をつける。