ウェルカムアワーズ

「あ、私の好きなレモンリーフティのゼリー、持ってきてくれたんだ。城くん」

「はちみつを苺にしてみた試作品です。ますます、月見さん好みだと思うな、僕は」

「へー、苺。あ、おいしい。これはいけるわ」


「店に出しなよ。これにもっと濃い紅茶合わせたら、これからの季節いいんじゃない?」

「すぐに寒くなるもんねぇ」


 この人達にとっては、これが当たり前だって、私は理解した。それと一緒に、ご招待の意味もわかる。

お茶会にどうぞってことだったんだ。そう、これはお茶会だ。ちゃんとお茶とお菓子のそろったお茶会。


「うち、レストランなんですよ。お二人の意見ってハズレないんで、アドバイザーです。食事、いけますから、そのうち寄ってみて下さい」