ウェルカムアワーズ

「今日は大運動会の種目の打ち合わせがあったんだ。運動会、来月の頭なんだけど、各自の出場種目とか決めるのこれからだから、初めから参加できるよ。良かったね」

「あー。でも、体育はちょっと得意じゃないから」


「大丈夫だよ。走るだけじゃないお祭りだから、きっと楽しい種目かあるって」


 その部分の楽しさなんて、ちょっと走っただけで消し飛ばされちゃう。きっと松宮くんは運動も得意で、私の気持ちなんてわからない。

保証はちっとも効果なく、私の気持ちはマイナスに傾いた。まったく、まだ始まってもいないのに、油断もすきもありゃしない。


「打ち合わせは、午前中に終わったから、午後は葉月ちゃんのためだね。オレの時間は」

 え。


「なんて。ほんとはまだ仕事があるんだな。いい気晴らしになります、ホント」