雪見ちゃんのすすめてくれた椅子に座ると、目の前にものすごいサイズの絵があった。
林立するキャンバスのせいなのか、昼間だと言うのに暗い教室。蛍光灯の光は弱々しくて、それが空々しい感じを出している。
ヘンに作り物めいている、ような。
さらさらの髪を揺らして、月見ちゃんは私の横の椅子に鞄を置いた。学校の規定の黒い鞄は、まるで新品のように見える。
そしてその細い腰に手を当てて、ちょっとハスキーな声を教室の奥へと放った。
「じょーくん、お客様つれてきたよ。出―ておいでー」
私の後ろの椅子に座った雪見ちゃんが小さく笑うのが聞こえた。
それはまるで犬を呼んでいるみたいで、私もなんだかおかしくなった。今にも舌で音を立てそうで。
林立するキャンバスのせいなのか、昼間だと言うのに暗い教室。蛍光灯の光は弱々しくて、それが空々しい感じを出している。
ヘンに作り物めいている、ような。
さらさらの髪を揺らして、月見ちゃんは私の横の椅子に鞄を置いた。学校の規定の黒い鞄は、まるで新品のように見える。
そしてその細い腰に手を当てて、ちょっとハスキーな声を教室の奥へと放った。
「じょーくん、お客様つれてきたよ。出―ておいでー」
私の後ろの椅子に座った雪見ちゃんが小さく笑うのが聞こえた。
それはまるで犬を呼んでいるみたいで、私もなんだかおかしくなった。今にも舌で音を立てそうで。

