「はーい、とうちゃーく。ここが目的地になりまーす」
見事に線対称に、ガイドのポーズで手を挙げて、月見ちゃんたちはにっこり笑った。
鏡の前で練習でもしてるんじゃないか、なんて思うほど、角度まで同じ。
示された扉は今までに見たものとはまったく違っていて、濃い茶色の木の色がそのまま出ていた。
そして手彫りの彫刻が隅から隅まで施されている。中心部には、飾り文字と言うには、飾りが過剰なくらいの文字で刻まれた、
「美術部」
「そ。絵描くところ。入って。ちょっと臭いけど」
「すぐ慣れるし、そんなの。はい、座ってー」
月見ちゃんの言う通り、部屋全体に油の匂いが充満していた。漂うどころじゃない、まさしく充満。
火があったら爆発しそうだ。……気分としては。
見事に線対称に、ガイドのポーズで手を挙げて、月見ちゃんたちはにっこり笑った。
鏡の前で練習でもしてるんじゃないか、なんて思うほど、角度まで同じ。
示された扉は今までに見たものとはまったく違っていて、濃い茶色の木の色がそのまま出ていた。
そして手彫りの彫刻が隅から隅まで施されている。中心部には、飾り文字と言うには、飾りが過剰なくらいの文字で刻まれた、
「美術部」
「そ。絵描くところ。入って。ちょっと臭いけど」
「すぐ慣れるし、そんなの。はい、座ってー」
月見ちゃんの言う通り、部屋全体に油の匂いが充満していた。漂うどころじゃない、まさしく充満。
火があったら爆発しそうだ。……気分としては。

