中央階段、を二階、三階まで。そこには新校舎への渡り廊下があった。
当然慣れた様子の月見ちゃんたちについて、中空に浮いている通路を歩いていく。
放課後のご招待。断りようもなく受けてしまったけれど、ほんとのところ、私はかなり疲れた気分になっていた。
お誘いはとても嬉しいことだと思っているけど、体も心もくたびれちゃってるんだ。どすんと。
新しい環境って、しかも馴染まなきゃならないって思っちゃったりすると、ほんと負担かかる。
いろんな人と話をして、気を遣ってもらったんだけど、それもとても嬉しかったんだけど、それとはまた別のところで、生まれてる問題だから、この負担って。
渡った地点は、新校舎では二階になる。この学校の敷地は、切り拓かれた山の中腹辺りに位置するからだそうだ。
とてもわかりやすく新しい廊下を進み、いくつも特別教室の札を見て角を曲がり、浅い階段を二段のぼり、先を行く二人は足を止めた。