ウェルカムアワーズ

それともそういうの、時間が助けてくれるもの? 大丈夫なの?

「よーちゃーん、おハヨウ。連れて来たよ、葉月ちゃん」

「早いね、今日は。心入れ替えたってやつ? 新学期にあたって」


「違うよ、必死で早起きしたんだよ。担任から電話あって、転入生ならお迎えしなきゃ」

「おぉ。立派立派」

「とーぜんでしょう。こっからずっと見てた。隆一朗が待ち伏せしてるから、ま、下はいいかって。そしたら二人が現れたから、はらはらしちゃったよ」


 教室に入る瞬間はどきどきするだろうとか想像してたけど、その余裕はなかった。

余裕、なんて言うのは変だけど、雪見ちゃんたちのことを考えてたら、いつの間にか入ってた。