ウェルカムアワーズ

「山道を登りながらでも考えてみます。お姉さま方。じゃあ、葉月ちゃん、また後で」
「ガンバレよー、坊や」


「修行あるのみよー」


 肩を落として歩いていく松宮くんに、二人はそろって言葉をとばした。

取り残されたみたいな気分になったけど、いつまでも一緒に居てもらうわけにはいかないんだから。


それにしても。鏡を見ているみたいって、本当。制服だし、髪型も同じ。見分けられたくないとしか思えない。

それで自分で美とか言っちゃっても許されちゃうくらい、二人とも(当然だ……)キレイだ。

長い髪もきちんとさらさら、大きな目で色が白くて。


「三月生まれなんだよね、あいつ」

「え?」