「あ、ちょっと、そんな、タカハシ先輩っ」

「まだ、おまえだけの仕事。じゃな」


 この部屋にいた他の人達がすっかり出て行って、奥のドアはぴったりと閉まった。なんていい人達なんだろう、なんて考えてた、ほんとに。

やめろとか言われたら、余分に戦わなきゃならないとこだった。私の敵は、たった一人で、それで充分充分なのに。

「葉月ちゃん、ほんとに死んじゃう」


「あぁそうかもね」

「死んじゃったら謝れないし、オレも葉月ちゃんもすっきりしないよ。とにかく手、手放して。死刑の前には連続殺人鬼だって饅頭食わせてもらえるんだよ、葉月ちゃん」


「まんじゅうぅ?」

「タバコ吸う人もいるけど」