用があるのは部屋じゃない。あんたよ、松宮、あんたなのよ。ここが校長通り越した理事長室だったって、あんたさえ居たらどうだっていい。ちくしょおぉっ。

「あんた、あんたね、何もかも知ってて、全部あんたが操ってたのね?! 何考えてんの、何が目的なのよっ。ちょっとこら、聞いてんの?!」


「葉月ちゃん、こちら先輩方」

 私にネクタイ引っ張られてもヘンに冷静そうで、それにまた腹が立った。うっかり人を殺しちゃう人の気持ちがわかりそうだ。

ムカついてムカついて、つい本気で手に力を入れちゃうんだ、きっと。わかるわかる。だってムカつくんだからっ、こいつ。


「隆一朗、オレたちは後でいいわ。後で。な」

「なんなら明日でもいいし」


「ガンバレ、隆一朗」