それはそれは大層なドアだった。偉そうな。こんなこと考えるのは、私の状態が悪いからなんだとは思うけど、だけどなんかっ、やな感じだ。人を見下してるって言うか。

 廊下の突き当たり。この階には、他にドアがない。なんって広さよ。たかが生徒会でしょ?! 

ためらうはずもない。ドアは叩きつけて、部屋に踏み込む。当然だ、こんなもの。


「松宮隆一朗っ」

「はい」


 とぼけた返事は反射だったらしく、松宮くんは、それから驚いた顔になった。職員室みたいに机が並んでる。

だけど、調度品は校長室っぽい。窓にはブラインド、壁には観葉植物。だけど、例え部屋が間違っていようと、そんなことは私にはどうだって良かった。