ウェルカムアワーズ

そう続ける松宮くんの顔を、私は見つめたまま固まっていた。松宮くんの言うことは、やっぱり無茶だと思う。なんて言うか、想像を絶する、って言うか。

「裏から出よう。今度はこっち。校門までは最短距離で抜けるからね」


……「なんでも知ってるよね。松宮くんは」

「誰でも知ってるよ。葉月ちゃんも、もう覚えたし」


 抜け道のことなんか、わたしは言ってなかった。松宮くんが知ってるのは、いつだって、私の気持ちだ。お見通し、全部。だから、そんな答え方をする。

 私の気持ちを知ってる。私が早くこの学校を当たり前にしたいのを知ってる。だけどどうして、そんな、――オソロシイことを……。