ウェルカムアワーズ

夏より……。と言うことは、私は夏は終わったと思ってるのか。


 終わったかもしれない。ほんとに。

……終わったなぁぁぁ……。吸い込まれそうな秋の空だなぁぁ……。

いっそのこと、そのまま消えられちゃったら、すっごく楽だろう、私。


 ――と。

並んで立っていたはずの松宮くんが吹っ飛んだ。前に。

なに? 何、が、なにー?!

いたっ。首痛いっ。急に角度を変えたりするからっ。


「はよー、隆一朗」

「おはよー、今日もごきげん」


 女の子が二人、いや一人、うぅん、そんな事はない、やっぱり二人だ。二人分の声もしたし、私の前に二人は並んで立っている。