ウェルカムアワーズ

話していることとか、頭を通り過ぎていく感じ。

いいかげん、こんな鬱な気持ちは追いやってしまわないと、マズイんじゃないだろうか。こういうのって顔に出るんだから。


マズイよね、こんなんじゃ。スタートとしては最悪だよね。最悪。

笑う。やっぱり笑わなくちゃ。必要以上に盛り上がる必要なんてないんだから、ただ普通ににっこりと笑うだけでいいんだから、それだけで。


 そんな事を考えてほっぺたを引きつらせたりしている私の横で、松宮くんは突然がっと勢い良く顔を上に向けた。

また突然にそんな。


「まだ暑いのに、意外とさっさと秋の空だよね。変な感じ。毎年のことなのに」


 うん……。なんてうなずきながら、私も空を見上げた。脈絡のない話を、なんて思ったのに、つられてる、また。

 青が薄い? 夏よりは。