……うん。今ならそれはできそうなことみたいに思える。いいことだけいいことだけ。

しょせん占いなんだから。そうだよね。そんなに当たるわけがないんだよね。タロットには多面性。うん。そんなに難しいことじゃないみたい。


 柴田先輩の言ったとおりのところに化学室はあって、私は授業開始の三分前にそこにたどり着いていた。

朝のホームルームにいなかった私を、よーちゃんは入り口で待っていてくれた。素直に嬉しいと思ってる自分に、自分で勝手にすごく驚く。驚いた、ほんと。

「おはよう、葉月ちゃん。今教室に戻ろうかと思ってたとこ。良かった。お休みかとも思っちゃった」