ウェルカムアワーズ

 あ、私、謝らなくちゃって、思ってたのに。もう足音も聞こえない。

 追いかける? 無駄だとは思うけど。


 だけど私は足を前に出せなかった。横にいたはずの柴田先輩が小さく沈んでいることに気付いたからだ。小さく沈む。……うずくまるに近い状態。なんでまた。

「柴田先輩? あの、大丈夫ですか? 先輩」


「ダーメー。オレ、もうダメだー。ツボ、ツボ入った。おっもしれぇぇ」

 一番に考えた具合でも悪いのかって結論は、見てるものによって見事に大破。先輩はおなか抱えて笑っていた。

立ってられないほどおかしいこと。そんなの今……、なにがツボ?


「化学室、三階の右。一人で行けるよ、めちゃめちゃカンタンだし、わかんなくなったら、その辺から出てきた奴に聞くといい」