せめて制服が先にできていてくれたら紛れちゃえたのに、ってどうしようもないことを、百回以上目に思い付いてしまった。

もう三十秒に一回くらい、これを考えて、それを仕方ないって思って。

制服ができるまでお休みにしておいて、それから改めて編入ってことにしておけば良かったんじゃないか、と考えて。


 ここまで来たんだ、どうせ引き返せない。

もう今さら、私には進むしか道はないということなんだから、こんなこと考え続けたって……。



――「あたり! 四十分か、四十七分。どっちかだと思ったんだ。おはよう、葉月ちゃん」

「……おはよう」


「良かった良かった。バス、そんなに混んでないでしょ。市内と逆方向だから。それでも二本ずらすと地獄が見れるよ。もっぱらうちの学校の生徒のせいだけど。座れた?」