あのカードが教えてくれたのは、私に災難が向かってくると言うことだけ。回避の仕方とか、そういう役に立つことはきれーさっぱり。

普通、逃げ道が用意されているべきだと思うんだけど、あのグレイトな占い師、その部分こそ真っ先に修行すべきところじゃない?!

「あれ、葉月ちゃん」


 丸めた模造紙を何本も抱えた松宮くんの登場に、玄関にいた全員の動きが止まった。明るく大きく、弾むような声で。

 ――なんでこんなに、良く会うんだろう……。


「教科書、運んでくれてありがとう。重いのに、ごめんね」

「かっちゃんと半分にしたから、そんなでもなかったし。まさか全部持って帰ったりしないよね、今日」