隣。なんだ、……このクラスの人じゃないんだ。

そう考えて私は、松宮くんを頼りにしようとしていたことに気付く。それで、なんか反発みたいなものを覚えたり。

ひとりでできる。絶対、呼んだりしないなんてことを。


 それからまた思い直す。
そうじゃなくて、それは結局は迷惑なんじゃないの?

 だって、松宮くんは別にそんなそこまで頼っていいって相手なわけじゃないんだし。なにかに困ったからって助けてなんて、図々しすぎる、そんなのは。


 それに、なににも困りたくない。そもそも。

なんとかうまく、乗り切って乗り越えて、その先の平穏な生活にたどりつかなくちゃ。


「家どこ? 葉月ちゃん」

 無理に覚えた新住所を唱えると、松宮くんはぱあぁっと笑って、